※The English version is here.
どうも、スマートウォッチ好きのDoga(@DogadogaTv)です。
今回も、とある会社から試供品をご提供いただいたのでそちらのレビューをしたいと思います。その製品が、すでにKickstarterにて資金調達を完了している「FitOn」というスマートウォッチ。
あのアナログとデジタルのハイブリットスマートウォッチ「Withings」や、Garmin、Huaweiの元社員が設立した開発チームによって生まれたスマートウォッチだそうです。
まず、このスマートウォッチの何がすごいのかというと、「血中酸素飽和度」を測ることができるということ。血中酸素飽和度は、血中のへモグロビンと結合した酸素量の割合を表す数字のようで、健康管理の指標として使われます。
血中酸素飽和度といえば、Apple(アップル)のApple Watchでも時期に搭載されることが噂されていましたね。あのAppleでもまだ搭載を実現できていない血中酸素飽和度を先に搭載してしまったスマートウォッチということです。
次に、驚くのがその値段。なんと、Kickstarterで今ならたったの49ドル(約5600円)なんです。一般価格でも79ドル(約9000円)ですよ?
ただ、わかっています。なんとなく不安な感じしかしないのは…。「この値段で血中酸素飽和度も測れるスマートウォッチっておかしくないか?」でしょ?
ということで、試してみましたよ。その実力やいかに!?レッツハンズオン!
基本機能の説明
FitOnはスマホ(iOS/Android両対応)とBluetooth接続をして使います。その基本機能は以下。
- 通知機能(SMS、電話、メッセージアプリなど)
- かかってきた電話を切る(出ることはできません)
- 遠隔カメラシャッター機能(シャッターを切るのみ)
- スマホを探す機能
- アラーム/カウントダウンタイマー(単体では設定不可)
- ヘルストラッキング機能(消費カロリー測定、ステップカウンター、ランニング距離測定、心拍数字/変動数(HRV)測定、血中酸素飽和度測定、睡眠度測定)
以上、これだけです。一般的なAndroid Wearのスマートウォッチとは違い、アプリを追加でインストールしたりすることはできず、本体に内蔵されているこれらの機能しか使えないということは事前に知っておくべき点でしょう。
また、文字盤の変更もデジタル表記とアナログ表記の2パターンのみです。こちらも、さまざまな文字盤にアレンジ/カスタマイズができるAndroid Wearとは異なります。アレンジするとすれば、別売りで10種類ほど用意されているらしいバンドを取りかえるというくらいでしょうか。
が、Android/iOS両方で使えるという点を考慮すると、これはまぁ仕方ないとも言えるでしょう。
また、バッテリー駆動時間は最大4日間で、IP68の防水/防塵仕様となっています。
開封の儀
さ、では開けていきましょう。試供品ですので、パッケージのデザインが素っ気無いのはご勘弁を。本体をクッションからバコッと抜くと、袋に充電用USBケーブルと、充電端子がビニール袋に入ってテープでとめられていました。
充電用の端子がなかなか珍しいつくりになっており、ハサミみたいになった端子を本体背面の受け側にはめて充電をするようです。
USBケーブルはだいたい30cmほどの長さでかなり短い。本体背面の中心に見えるのが、心拍数や血中酸素飽和度を測るセンサーです。小さいですね。
デザイン:個人的には好きなデザイン!一点を除いては…。
まずデザインに関して、個人的に結構好きなデザインでした。そもそも、ぼくは丸型の時計が大好きなので、大きすぎず、小さすぎずのこのFitOnの画面サイズと丸型デザインは大変気に入りました。Apple Watch(42mm)と比べるとこんな感じ。
スポーツバンドのデザインや、ラバーの素材もグッド。Apple Watchのナイキバンドを思わせるデザインですね。
しかし、外観のつくりに関して、ものすごく残念な点も。それが、本体がとにかく安っぽいということ。具体的には、スクリーンとサイドボタンです。
まず、スクリーンは、ガラス製というよりは、薄くて柔らかいプラスチックのような素材。爪で叩くと、すごく安っぽい音がします。ちなみに、タッチパネルではありません。サイドボタンを押して画面を切り替えることとなります。
ディスプレイ(2.43cm×2.43cm)はOLED(有機EL)のようで、発光は大変良いようです。ただ、カラーはご覧のとおり、シンプルな単色ですので、特に「美しい!」と感じるものではありません。むしろ、なんとなくレトロな印象さえ覚えます。
次にサイドボタンに関してです。サイドボタンは3つ付いているのですが、使えるのはなんと真ん中のボタンのみ。これにはさすがに驚きました。他の2つは装飾品で、押すことすらできません。
スクリーンに関しては、値段が値段ですから我慢できるのですが、このボタンに関してはむしろ逆効果だと思いましたね。最初から1つで良かったんじゃないでしょうか…。
アプリ:使いやすくて良し
今回は検証用にAndroidを使ったのですが、専用アプリのUIや使い勝手に関しては大変良いものでした。
個人的には「iOSのヘルスアプリよりも使いやすいなー」なんて思っちゃいましたよ。最初に性別や年齢、肌の色(センサー認識バロメーターの調整用かと)、1日の目標歩数などを設定します。
あとは、同ページ上でスクロールすれば、歩数、睡眠レベル、心拍数、酸素飽和濃度のグラフがひとめで確認できます。そして、タブを切り替えればランニングモードと、本体の細かな設定ページが表示されるようになっています。
個人的に好きだったのは、腕を傾けた時に点灯する機能のOn/Offをスケジュール設定できる点。睡眠中は時間を確認しませんもんね。これはバッテリーの節約にもなるし、なかなか賢い機能だと思いました。
総じて、アプリはよく作り込まれている印象でした。アプリが今のところ英語しかないようなので、今後日本語版が出るといいですね。
本体の性能:スマートウォッチというよりもヘルストラッカー?
肝心の本体の性能について。スマートウォッチとしては物足りず、ヘルストラッカーとしてならまずまずといった感じでしょうか。
まず通知機能は、Twitterやメールの件名の内容まで読むことができるのは嬉しいですね。その代わり、通知が鳴ってすぐに表示が消えてしまうため、それを逃すとFitOn上では確認することができない点は残念です。もう少し長く手元で確認できたらいいのに。
通知速度はバッチリです。遅延もほぼありませんでした。強めのバイブレーションで通知してくれます。
また、通知を受け取ることができるアプリもこうやって選択することができます。LINEもありますよ。
次に心拍数に関して。FitOnをApple Watchと同じ左腕につけて比較してみると、概ね近い数字が計測されましたので、センサーの精度に関しては悪くないのではないでしょうか。
ただ、たまにつけていない状態でFitOnの方だけ急に数値が上がって、規定数値を超えたアラートが鳴ったりしていたのが少し気になりました…。誤作動なのか、仕様なのか。当然つけていない間はアプリ側に記録がされることはありませんのでご安心を。

血中酸素飽和度に関しても問題なく測れているようです。こちらは正しい数字なのかどうか比較する基準がないので申し訳ないのですが、95%〜99%が通常数値のようなので、今のところ健康的(だと思ってる)なぼくのデータを見たところ違和感はないようですね。
残念ながら、心拍変動数(HRV)のアルゴリズムに関してはまだ手を加えている最中のようで、こちらに関しては今のところなんとも言えません。
結論
3日ほど使ってみた結果です。FitOnは、きっとスマートウォッチとして購入すると残念な気持ちになることでしょう。文字盤をおしゃれにカスタマイズすることもできませんし、アプリを立ち上げることもできませんからね。「もう少しスマートになってほしい…」という欲求が湧きあがります。
しかし、ヘルストラッカーとして購入すれば、まずまずの出来栄えなんじゃないかなぁという感想をもちました。
そして、そう思わせてくれるのは、その価格によるところが大きいでしょう。9000円ほどで、心拍数、心拍変動数、そして血中酸素飽和度を測れるデバイスというのは、市場ではそんなに多くないはずです。
バッテリーのもちも「4日」とアピールしている通り、かなり良いですし、(ぼくがいただいた試供品はまだ基準値には達していないようですが)防水機能も助かります。
FitOnのKickstarterでのキャンペーンは2017年11月19日まで実施されています。試しに使ってみてもいいかもと思える人は、49ドル(5600円)でゲットしてみてはどうでしょうか?
しかし、本当に「スマートウォッチ」がほしい人は、もっとカッコよくてしっかりしたものがたくさん出回っていますので、そちらを買ったほうがきっと幸せになれるはずです。
これ何気に重要なポイントだと思うので、お忘れなく。
▶︎Kickstarterキャンペーンページはこちら
Doga(@DogadogaTv)